学力アップの本質論――7つの「力」を身につけることを目標にすれば学力は必ず伸びる――

7つの力

はじめに ――学力アップのための7つの力――

seven powers

みなさんこんにちは。今回の記事は、このブログ全体で伝えようとしている学力アップに関するノウハウの中心となるものです。

勉強はしているのだけど結果が出ない人も、勉強をやる気が起きないで手が止まってしまっている人も、さらなる学力アップを望んでいる人も、今回の記事を読めば、学力に関するどういった能力を伸ばせば次のステージへ行けるのかがわかります。

初めに結論から言ってしまえば、「受信力」「質問力」「継続力」「基礎力」「応用力」「反省力」そして「積極的思考力」の7つです。これらの能力について理解をしたうえで勉強を続けていけば、必ず学力アップが実感できます。各能力の詳細については、それぞれ記事を多く読んでいただく必要がありますが、今回の記事ではあくまで大雑把に全体像を把握してもらえればと思います。

それでは、それぞれについてお話しします。

受信力――学習の基本姿勢、聞く力――

to hear others, especially teachers

一つ目の力は「受信力」です。これは「聞く力」といってもいいですね。

例えば中学生は、日々学校や塾で勉強をし、家で宿題をこなし、塾で授業を受けたりしていることでしょう。こちらの資料によれば中学生は、50分の授業を年間で1015回受けているとのことです。この膨大な授業の内容を積極的に「受信」していくことが、「効率的な学習」の第一歩になります。

受信力とは何か――ただ耳から音が聞こえているだけでは意味がない――

「話を聞いてるの!?」という言葉は、家庭でも学校でも日々飛び交う言葉ですよね。言う側の気持ちは私もよくわかります。もちろん言う側の言い方というのはとても大切な視点ですが、今回は、こうした言葉を言われてしまう側の姿勢にフォーカスします。

受信力がない生徒は、興味のないテレビ番組をぼーっと見ているようなものです。時折その番組内であなたの気を引く画像や話題が出たとしても、その時以外はまた集中力が宙をただよってしまいます。

しかし、勉強は、各単元を「まとめて」理解する必要がありますよね。何かを「知っている」というときには、その情報が全くばらばらではだめです。例えば「奈良時代」について知っているというとき、聖武天皇も鑑真も知らないで、平城京というワードだけを知っていても、それは全く点数につながらない可能性があります。

だから、授業を「聞く」ということは、50分の授業全体においてある程度の集中力をもって臨むことで、その力が「受信力」なのです。眠っていない状態で顔を上げて耳に音声が届いているだけでは、「聞いている」ということにはならないのです。

自分の興味関心で集中力をON/OFFしてはいけない。

興味関心に偏りがあるひとは、興味関心にヒットする部分だけを聞いていることがあります。

たとえば戦国武将が好きな人は、合戦の様子の話になると積極的だけど、文化の話になるとぼーっとしていたり、話をすることに一生懸命になってしまい、話を聞く体制が崩れてしまったり。

あるいは、歴史は好きだけど、英語や国語には興味がない、という人もいますよね。

興味がなくてもかまわないのですが、だからと言って受信力が著しく低下していると、その分さらに学力アップは遠のいてしまいます。自分の好きなことに時間をたくさん費やすためにも、苦手科目や興味のない科目に関しても、しっかりと受信力を発揮して授業に臨みましょう。

受信力を高めるためにすること――具体的な行動を工夫しよう――

それでは受信力を高めるためにどういったことができるでしょうか。今回の記事ではヒントだけを書きます。次回以降、具体例については記事を書いていきますが、自分でも時間をとって考えてみましょう。自分で頭を使って考えたことは、それだけで学習効果があるからです。うまくいってもいかなくても、最終的には自分で自分の学習を管理できるようになる必要がありますよね。

というわけで、受信力を高めるために必要なことは、「相手の目を見て話を聞くこと」です。そして「相手が何を言おうとしているのか、思考を読む」ことです。「この人は何を言おうとしているのだろう」ということを気にしながら授業を聞いてみましょう。

簡単なこととしては、「今日の単元は何か」を考えること、そして先生が生徒とやり取りをしているときに「そのやり取りに意識を向けること」、「先生の発言ひとつひとつが、自分に個人的に向けられたものだと考えること」です。

受信力を高めるためには、自分を学習の当事者とする必要があります。

授業内で展開されているあらゆるやりとりにアンテナを張り、だれが、何を、なぜ、発信しているのかに気を配れる必要があります。

とはいえ、授業に全く関係のない話をしだす生徒もいるでしょう。そういう生徒の発信は、適当にスルーして、授業の内容を整理したり、アンテナを立て直す時間にするといいです。

学校の先生で、関係のない話を好む人もいると思いますが、意外と深い意図があることもありますし、ふとした話が定期テストででることもあります。受信する/しないということは、定期テストの点数に直結することもあるのです。

こうして当ブログを読んでいるあなたは、すでに受信力を十分に高める素質があります。ぜひ自分の今の意識や能力、行動力を信じて学習時の受信力を高める工夫をしましょう。

こうした姿勢で授業に臨むことは、単に「耳から音声を入力していること」とは全く異なることですよね。

まとめ

・受信力は日常の学習時に最も多く必要となる

・受信力は気分によってではなく、つねに一定量発揮されていないといけない

・受信力を高めるために、自分自身を学習の当事者にしよう

・先生の目を見て授業を聞いてみよう

質問力――積極的で適切な質問が学力を伸ばす――

the power of question

次に「質問力」です。受信力を高めていくと、実は自然と疑問を書き出すという行動が生まれます。その疑問に適切な形で答えていくこと、適切に処理していくことが大切です。質問力については、こちらの記事も参考にしてください。

質問力とは――三段階のステップ――

質問は積極的にできる人もいれば、まったく不得意な人もいます。

しかし、積極的に質問をできる人ならば、必ず成績が上がるというものでもありません。その質問は「よい質問」でないといけないからです。

それでは、正しく質問をするための三段階のステップを見ていきましょう。

1.わからない部分についてできる限り思考し、何がわからないのかを洗い出す

2.先生に質問内容を伝える

3.先生の応答をノートにまとめなおし、納得できるか再度考える

質問力は、他人に対してだけでなく、自己自身に対しても積極的に向けるべきである

「わからないところは質問するんだよ」。そんな風に声をかけてくれる先生はたくさんいますよね。しかし、質問をする生徒は多くありません。なぜ先生が困るくらいの質問の嵐のような事態が起きないのでしょうか。

それは、「勉強=授業を聞く」という勉強観が身についているからではないでしょうか。

勉強は与えられる苦行の一つで、自分はその時間を耐えることで、クリアしたとされる。このような考えが意識の奥底に眠っているとしたら、学習内容に能動的に意識を向けて、質問をするような動きは生まれませんよね。

また、「誰かに対する質問」の根っこには「自分自身に対しての質問」がなければなりません。

「質問しよう」という話をすると、間違えた問題をすべて聞いてくる人がいます。その人は、確かに質問をしているのだけど、「学力アップのために必要なものとしての質問」をしているのではありません。

本当の質問は、自分でいったん考えたけど、どうしてもわからないときにするものです。つまり、「自分自身の内部から生じる」ものです。このときに自分自身で考えぬいていればいるほど、その質問の質は上がり、そこに対して答えが与えられたときに喜びとなるのです。

つまり、いい質問をするためには、質問に向けた思考を積み重ねなければならないのですね。

真の質問に対してのみ、真の喜びは与えられる

継続力――成功するまであきらめずに継続しよう――

the power of continuation

続いて、努力を継続する力についてです。

「一日二日は頑張れたけど、それ以上は無理だった」という人、つまり三日坊主で何事も続かないまま、手ごたえを感じられない人はたくさんいます。

そんな人は、「継続力」を鍛えましょう。

何事も、毎日コツコツできる友人などあなたの周りにはいるのではありませんか。あるいは、あなた自身も、勉強以外のことについて継続力を発揮していることがあるかもしれない。

そういうひとは、自分の継続できているものを掘り返して、なぜ継続ができているのかを考えてもいいし、それと同じ方法を勉強に対して考えてもいいですね。

2種類の継続力――スタートモチベーションと持続モチベーション――

継続には2種類あるといわれています。

一つは物事を始めるきっかけになるモチベーション。例えば、野球選手になりたい!みたいなものです。これをスタートモチベーションと言います。

スタートモチベーションは大きな起爆力をもつモチベーションですが、それだけで長い時間の努力を継続することが難しいのは、なんとなくわかるのではないでしょうか。

大志をいだいても、日常のこまごまとした作業を続けることができず、それをあきらめることになる、ということはよくありますよね。まさに三日坊主というものです。

そこで、この三日坊主を防ぐモチベーションが必要です。それを「持続モチベーション」と言います。

物事を持続するために必要なことは何かといえば、それは目標達成までのステップを視覚化していくことです。

初めにこれをして、次にこれをする…という行動の段階がわかっていれば、自分が今どこにいるかもわかるし、それによって努力の継続がより容易になるのです。

つまり、スタートモチベーションを持った人は、次に持続モチベーションを上げるために、目標攻略の計画を立てなければならないのです。

最強の継続力としての習慣化

さて、継続力ということについては、こちらの記事もご覧ください。朝起きたら顔を洗い歯を磨く、仕事から帰ってきたらテレビをつけてビールを冷蔵庫から出す。こうした行為は、習慣として行われます。意識しているわけではないのですね。

最強の継続は、「習慣化された行為」を行うことです。

われわれは毎日お風呂に入って歯を磨きますよね。その時に努力をしている意識はありますか?

私はありません。それらは習慣的に行っていることだからです。

皆さんも、ぜひ努力を習慣化しましょう。

とはいえ、それが難しいというもの。努力の習慣化ができない人は、その部分を誰かと一緒に行うとよいです。必要であれば、お声がけください。

・継続力には、スタートモチベーションと持続モチベーションの二種類がある

・最終的にはモチベーションに頼らない「学習習慣」ができるとよい

基礎力――すべての単元に基礎がある――

the power of foundation

さて、次に「基礎力」です。基礎力は、次にあげる「応用力」と対になる力です。

「基礎が大切」ということは、日常的にもよく聞くフレーズで、だれもが大切だというイメージを持っているものだと思います。

基礎、基本というものは、例えば家の基礎のようなもので、それががっしりとしていなければ、その上にできる家の安定が得られないようなものです。

しかし、基本が身についていることをどのように計測したらいいのか、難しいですよね。基礎力アップのためにできることは、どのようなことでしょうか。

基礎力アップのためにしなければいけないこと――分析としての説明力――

基礎とは何か、と言われれば、「要素」です。

たとえば一つのもの、机とかでいいですが、それをばらばらにしたら出てくるのが「要素」です。

板と足みたいなものが机の要素です。

I am Kaitaku.

という文章があったときに、それを「I=わたしは」、「am=be動詞」、「Kaitaku」などに分けたうえで、be動詞のもつ=で主語と補語をつなぐという役割を理解しているとき、基礎の理解ができたということです。

学習初心者は、理解よりも手を動かしてたくさん問題を解いた方がいいのかもしれません。

でも、私が個人的に感じることとしては、学力上位者を目指していくならば、なるべく初めから、「説明」ができるような形で勉強をすべきなのです。

「説明」は、兄弟や親に向けて自然とできるといいのですが、そういう段階ではない人はぜひ「自分」に対して説明をしてみてください。

もしそれができないなら、それは「質問力」を用いて先生などに聞くべきだし、「受信力」を用いて先生の説明の仕方を盗もうとすればいいのです。

ただ単に問題が解ければいいのではありません。ここは勘違いしないでくださいね。

・基礎力とは、学習内容を分析したうえで、誰かに説明する力があるということである

応用力――高得点をもぎ取る力、分析したものを組み合わせること――

基礎力とペアになる力として「応用力」があります。

「うちの子どもは応用力がなくて…」とか「私は応用問題が解けません」という話をよく聞きます。

それでは、「応用」とは何か。

応用という言葉はappliedという英語で、それは「適用される」という意味です。

基本的な理解を、他の問題に「適用する」ときに、応用力が必要となるのです。

例えば、三角形の内角の和が180°だと知っている人が、30°、80°の二つの角をもつ三角形のもう一つの角の大きさを答えられるとき、その人は「応用力」を持っているということになります。

このように、問題をガンガン解いていくときには、基礎の応用力が用いられるわけです。

イメージはよろしいですか?

基礎の応用とは、先ほど要素に分けたものを組み合わせる力ということができます。

だから、応用問題を解くときに必要なのは、基礎を思い出すことなのだし、その基礎を思い出さないまでにも、自由自在に使いこなす力なのです。

応用力は、5科目の学習それぞれにおいて異なるものです。数学の応用問題と、英語の応用問題ではだいぶイメージが異なります。でも、共通しているのは、応用問題が基本問題の複合であるという点です。だから、応用力をつけたい人は、基本問題をたくさん解く必要があるのです。さらに言えば、たくさん解く中で、基本の説明を一つ一つできるようになっていることが必要です。

・応用力とは、基本問題を組み合わせて新たな問題を解くことができるようになる力である

反省力――次の単元に行く前にすべきこと――

the power of reflection

次に「反省力」を取り上げます。

応用力を用いて、テストを終えた後で、皆さん何をしていきますか?

テストの解きなおし、授業の解きなおし、

積極的思考力――考えるんだ!――

thinking is very important.

今まで上げてきた6つの能力のすべてを発揮させるには、個々の能力と思考力を組み合わせる必要が出てきます。これは、それを目的としてできるということではなく、自然とそうしている人の学力が上がるという話です。

それぞれの力と思考力のかかわりを確認しましょう。

受信力と思考力…受信力を高めるためには、相手の発言の意図を思考する必要がある

質問力と思考力…ただ質問するのではなく、よい質問をするためには、自分自身のわからないとこ  ろを思考する必要がある。

継続力と思考力…スタートモチベーションはどこかで与えられるものだけど、持続モチベーションは、目標達成への手段を思考することによって形成される。

基礎力と思考力…基礎力は、学習内容を区分して思考することで養われる

応用力と思考力…応用力は、思考しなければ絶対に得られないし、磨かれない

反省力と思考力…反省するという心理作用は、思考によってのみ達成される。感情によって反省することは不可能である。

積極的思考力

ここまで書かれてきた思考力は、「積極的」で「能動的」である必要があります。

あなたが何を受信するのかは、あなたが何を知りたいかにかかわっている。あなたの問いは、あなた自身が見つけるものだし、あなたが継続する理由はあなた自身が作り出さなければならない。あなたが基本を理解するためには、あなたが対象を分析できなければいけないし、あなたがテストで点数を取るにはあなたが基本を複合させていく必要がある。あなたが反省するときには、あなたが自己を対象として反省しなければなりません。

そのどれにも「積極的なかかわり」があります。それらは、一つ一つの力を次のステージへと導く根源的な力です。

終わりに

いかがだったでしょうか。この7つの力を得ることが、学力アップにつながるというイメージを持てたでしょうか。もしもてなかったなら、もう一度読んでみてください。それでもだめなら、駄目だと思うことを私に質問してください。

考えるんだ!

学力アップに王道はあります。しかし、それが「あなた」の道であるかは誰にもわかりません。

それを見出すためにも、あなたはあなたとして考えなければなりません。

それは、だれにとってもそうなのです。

もし、考える道筋が見つからない人は、一緒に考えていきましょう。私が考えるのではありません。一緒に考えるのです。それでは。

かいたく記

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