目的を考えよう / 自己イメージをつくろう

はじめに

こんばんは。今回は、勉強にとどまらず、自分が行っていることの「目的」を考えることについてお話しします。

学生であれば「受験」が目的になっているかもしれませんし、仕事をしている人は「目的」を会社に作ってもらっているかもしれません。

ただし、誰かに決められた目的を己の目的とするのではなく、目的そのものを自分で作って、そのために仕事や学問をしていると考えてもいいですよね。

今回のブログを読むと、他者に押し付けられた目的ではなく、自分で作った目的をもとに行動するための一歩を踏み出すことができます。

本日の記事は、村山昇著、若田紗希絵『働き方の哲学』、Discoveryの、第一部を紹介させていただくような形で書いております。

※Kindle unlimitedでも読めるようです!

『働き方の哲学』という本は、珍しく横長のB5?の大きさになっていて、絵がとても直観的にわかりやすいです。だから私が素敵な絵の本を硬い文章にしてしまうとマイナスもあるのですが、文章表現の面白く、また魅力的なので、そうした一面を紹介できればと思います。

高校生にもなれば、自分の職業を意識して大学受験を考える生徒はとても多いです。私は大学までの道しか考えておらず、就職のことは全く意識していなかったですが!

そこで、「仕事」と言われたときのイメージはどのようなものがあるでしょうか。

仕事の意味的広がり

著者によれば、仕事には意味的な広がりがあります

①それを「使命」と感じる…希望・夢・志、ライフワーク

②それを「可能性への挑戦」と感じる…業務、職業

③それを「労役」と感じる…作業

こういった三種類の区別があります。さらにそれを「短期・単発で行う」「中期・継続で行う」「長期・生涯」にわたって行うという「奥行」があります。

「労役」と感じるものの具体例として「作業」というものがあります。また、同じことを「夢」として行えば、それは夢の一部となるでしょう。

このように、自分が今現在行っていることは、「何のためのものか」(目的)によって変わってくるといえるのです。

ここで、「3人のレンガ積み」という寓話があります。

中世のとあるヨーロッパの町。

建築現場に3人の男が働いていた。

「何をしているのか?」ときかれ、それぞれの男はこう答えた。

「レンガを積んでいる」。最初の男は言った。

2人目の男がこたえて言うに、「カネ(金)を稼いでいるのさ」。

そして、3人目の男は明るく顔を上げていった――

「後世に残る街の大聖堂を造っているんだ!」。

上掲書p. 18

いかがでしょうか!?

外側から見たら、同じことをしている3人の職人がいるだけなのだけれど、その心の中の目的は全く違うものなのです。

あなたならどの職人になりたいのか、あるいはどの職人が幸せな形で職につくことができるのか。

そこに答えもないのかもしれませんが、私は自分の仕事を夢として行いたいと思いますし、作業としては行いたくないと思います。

キャリアの積み方

続いて、その職業の積み上げ方のお話です。

登山型…目的地へと一直線で、時間を短縮していくことを目標とした積み上げ方

トレック型…目的地へと至る道筋も楽しむ上り方。

①の登山型は、うまくいけば、時間的にも短く済みますが、他が見えなくなるために、他の可能性をつぶしてしまい、キャリアが積み上げられないということもあります。夢を見るだけでなく、他の実現可能な在り方へとマイナーチェンジする必要もあるかもしれません。

②のトレック型は、うまくいけば過去の様々な経験がその後の人生に大きく役立つ、相互作用が新しい価値を生み出すこともあります。しかし、うまくいかないと、様々な経験をしつつ漂流してしまうだけとなることもあります。

キャリアの積み重ねには「偶然性」が重要な要素を占めます。

唯一の正解があるわけではないのですね。

キャリアには「節目」というものがあり、それは①自分の意志によって起こす節目もあれば、②外部の力によって生じる節目もあります(上掲書p. 60)。節目は、まさにその荒波の中にいるときにはわかりにくいこともあります。過去を振り返って「あれが節目だった」ということもありますよね。

荒波にもまれながらも、自分を俯瞰的に見るためにも「目的志向」の考えは普段から意識していたいですね。それこそ、節目節目に目的について考えると、迷子にならずに済みそうです。

労働観の変遷

最後に、労働観の変遷について紹介します。

①古代ギリシャ…労働は奴隷が行う苦役

②古代・中世のキリスト教世界…神によって課された罰が労役

③近世のキリスト教世界…労働を通して神の偉大さを知る。神に呼ばれた仕事を天職(calling)と言います。

④近代1.…職業倫理の世俗化

⑤近代2.…工場労働者の人間疎外問題。人間性を破壊するような労働環境。

⑥現代…多様化する個々の労働観。ネガティブな労働観としては「社畜」のような言い方がありますし、ポジティブな労働観は「自己実現」や「夢」が挙げられます。

⑦ポスト現代…食うための労働から解放されても人は働くか。

あなたはどうですか?私は食うために困らなくても、塾講師としての仕事は続けたいな、と思います。あるいは、教育に携わる仕事をし続けたいと思います。

ご清聴いただきありがとうございました。まだまだ面白い、はっと心を突かれる仕事についての考えがまとまっています。興味を持った人はぜひご一読ください。

かいたく記

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