こんにちは。今回の記事では、中1英語学習における大切なポイントをお伝えします。中1生が夏休みくらいに見るとちょうどいい内容になっています。中学2年生が振り返りとしてみてもいいし、英語が苦手な中3生がみても、中学生の保護者の方が見ても勉強になります!
実は、以前同じような記事として、「中学1年生の英語の落とし穴4選」という記事も書いているのですが、こちらは、応用編を前提とした基礎編という位置づけで、前の記事よりも網羅的なものになっています。ぜひ前の記事と合わせて読んで、理解を深めましょう。
4線ノートを使おう
まずは、ガジェット的なところから一点。英語学習を始めたての時は、英語の4線ノートを用いましょう。少し慣れてきても、4線ノートは使い続けたほうがいいです。今はオンラインでダウンロードできるものもありますよね。
特に、「字が雑なひと」は、大学ノートなどに移ったときに、大文字小文字の区別がわからないようなノートを作ってしまいがちです。
それだと、ノート提出などがあったときの印象もよくないし、自分のノートを自分で見て、マイナスの影響を受けることになります。
ノートは基本的に4線ノートを使い続けましょう。
字もある程度丁寧にかけて、大学ノートで書いても、大文字小文字の区別が完全にできるようなら、卒業してもいいかもしれません。
中学2年生や3年生で、英語が苦手だと思っている人は、4線のノートに戻ることをお勧めします。
見た目が中1っぽくて嫌だ、と思うかもしれませんが、基本をやり直すなら、ノートも基本にすると、気分一新できます。英語が苦手な人が大学ノートを使う利点は一つもありません。基礎からやり直すなら、ノートを検討しましょう。
大文字・小文字は書けますか
単純に、アルファベットを大文字、小文字で並べて4線ノート上にきれいにかけますか?
かける人は、素早く書けますか?
bとdの区別や、mとnの順番など大丈夫でしょうか。書き出してみましょう。
これができる人は、
大文字ってどういうときに使いますか?
当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、2年生になっても、このルールを守れない生徒はいます。
逆に言えば、このルールをきちんと守れるのは、一生の力だということです。
できる!という人は、ルールを言えますか?
1.文頭
2.固有名詞(人名・地名・国名・言語…)
3.曜日、月
は、大文字で書きますよね。
きちんと、これらのルールを言語化できることが大事です。「言われたらわかる」という状態の人は多いですが、早めにここを抜け出しましょう。これから学習するすべての範囲において、「言われたらわかる」ではなく、「自分から言える」状態を作る必要があります。この点については、応用編の記事もご覧ください。
ここまでは、基礎編のなかの準備体操です。これから本格的な基礎編が始まります。どんな項目が出てくるのか、想像できますか?言えるとなおいいですね。
be動詞の文と一般動詞の文の区別
まず、これです。夏休みまでの学習の大半は、これが身につくかどうかにかかってきます。
はじめに、「動詞は2種類にわけられる」と言ってみましょう。ノートに書いてもいいです。
その2種類は、be動詞と一般動詞のふたつですよね。
動詞というのは、英語においては、主語(I, you, he, she, it…)の次におかれるもので、状態を表す状態動詞と、動作動詞に分類することもできます。ここでは、その区別ではなく、be動詞と一般動詞に大別しましょう。
それでは、be動詞とは何でしょうか。1.具体例と使い分け、2.用法の二点で説明をしてください。
- 1.具体例
is, am, areの三つが、まずは登場します。これらはどのように使い分けますか?説明してみましょう。
そうですね、I am!とか、You are!という声が聞こえます。ただ、より一般的には、「be動詞は主語によって使い分ける」といえると最高です。Iという主語に対しては、be動詞はamだし、youという主語に対してはare、そしてそれ以外の単数の主語に対してはisが用いられますね。
一年生の終わりには、動詞の過去形を勉強します。is, amはwasという形になり、areはwereになりますね。
- 2.用法
大部分の中三生も、もごもごしてしまうはずです。用法は、大きく3つあります。ひとつめは、「~である」というもの。これは、しばしば=の役割、と言われるものです。例えば、
I am a junior high school student.という英文は、
I(わたしは)=a junior high school student.(中学生)だし、
You are beautiful.は、
You(あなたは)=beautiful(美しい)
ということを表しているのです。
もう一つの用法は、「~になる」。そして「~にいる」という意味もあります。これだけ押さえられていれば十分です。まずは、=の意味、といえるといいですね。
ここまでbe動詞の話をしましたが、「一般動詞」というのは、be動詞以外のすべての動詞を指します。「勉強する」「食べる」「歩く」「行く」「飲む」「とる」「欲する」「好む(好き)」など、すべて一般動詞です。
この2種類の動詞の区別がなぜ大切なのかというと、英文は、be動詞の文か一般動詞の文かによって、否定文と疑問文の作り方が体系的に異なるからです。
英文は、肯定文、否定文、疑問文の三種類をセットで学ぶのです。
肯定文・否定文・疑問文
I am a teacher. 私は先生です。
という英文は、
I am not a teacher. 私は先生ではありません。
という否定文(be動詞にnotを付ける)のもとになっています。また、
Are you a teacher? あなたは先生ですか?
という疑問文は、be動詞と主語をひっくり返すことで作ることができますよね。応答文は、Yes, I am. No, I am not.(No, I’m not.)というかたちで、やはりbe動詞を使います。
それに対して、一般動詞の文は、
I like English. 私は英語が好きです
という肯定文を否定文にするときに、
I don’t(do not) like English. 私は英語が好きではありません。
という風に、do notを用いて否定文を作るのです。ここで、I am not like…とすると、大間違いになってしまうのですね。
そして、このdoをもちいて疑問文も作ります。つまり
Do you like English?
ということです。応答文は、Yes, I do. No, I don’t.でした。
疑問詞を用いた疑問文
次に山場になるのが、この内容で、what(何), who(誰), when(いつ), where(どこ), why(なぜ), how(どのように)という疑問詞をもちいた疑問文を勉強します。ここでも、混乱する生徒が多いのですが、この単元の基礎は、先ほど見た、be動詞の疑問文、一般動詞の疑問文なのです。
例えば、「あなたは何が好きですか」という英文は、
What do you like?
となりますが、これは疑問詞(What)+疑問文(do you like~?)となっているからです。
When is your birthday? (あなたの誕生日はいつですか)という英文も、
疑問詞(When)+be動詞+主語?という形で、疑問詞+疑問文になっているのです。
ただし、ここで例外となることが一つあって、それが「疑問詞が主語の役割をしている場合」です。
たとえば、
誰がここに住んでいますか?という英文はどうなりますか?
Who lives here?
となります。これは、疑問詞が主語なので、続いてlivesという動詞が来るのです。疑問詞の後に、疑問文がこないわけですね。違いがわかりますか??
疑問詞+疑問文というひな形はとても大切で、これからはHow many brothers do you have?のような、「疑問詞が大きくなるタイプ」も学ぶことになります。
「ひな形」の考え方については、この記事もご覧ください。
3単現のs
さて、3単現のsといえば、「中1でいちばん大事!」と言われる人も多いのですが、個人的には、be動詞と一般動詞の区別の方が100倍くらい大切です。しかし、3単現も有名ですから、一応触れます。
きちんとルールを理解しましょう。
3単現の3は、「3人称」の「3」ですね。3人称とは、「私(I)」「あなた(you)」以外のすべての主語を指します。具体的にはheやshe, father, motherやTom, Megなどの固有名詞もそうです。
「単」は「単数」の「単」で、「複数ではない」ということです。一人、一つ、ということです。
最後に「現在」は、過去や未来のことをいっているのではないということです。
この三つのルールが重なっているときに、動詞にsまたはesをつけるということでした。
たとえば、
I play baseball.という文は、主語がTomの時には、
Tom plays baseball.となるし、疑問文は
Does Tom play baseball?となるということです。
単語を覚える
そしてこれです。多くの生徒が苦しんでいる声が聞こえます。
基本単語は、教科書に出てくる単語をすべて丸っと覚えなければなりません。
英語が苦手な人は、個別指導などをもちいて、「単語の覚え方」をマンツーマンでやるのが効果的です。正直なところ、本格的に英語が苦手で結局克服できない生徒は、英単語を最後の最後まで体系的に学習しないことが多いです。アルファベットの音とスペリングの関係が出来上がれば、英単語を覚える速度が飛躍的に上がりますが、それまでは、一人でやるのは難しいし、時間だけかかって覚えられなくて嫌になってしまうと、これからの英語学習がつらくなります。
自分で取り組むなら、ここも、スモールステップでいいですから、一日5個単語の練習をしましょう。
英単語は、「発音」「スペリング」の両面で攻めましょう。特に発音しないで、眼で見ているだけの生徒は、英語ができるようには多分なりません。大部分がかなり苦労することになります。自然と、さっと数回書いて、そして覚えていられるようになるために、最初は時間を割きましょう。ここら辺は、コーチの役割が必要だと思います。
特に、「数」「曜日」「月」「年」「季節」「スポーツ」「科目」「言語」「国」などの複数ある名詞群などは、3年生になっても怪しい生徒がたくさんいる印象です。それでは受験は厳しいのです!これらがたくさん書かされるのではないのですが、こういう穴をたくさんもっている生徒は、英語力がめちゃくちゃ微妙になってしまい、少しでも難しい問題が出るとぽろぽろ落としてしまうし、長文読解に時間がかかりすぎてしまう傾向があります。とにかく、恐ろしいのです!
代名詞の表が書ける
最後にこれをあげます。中1生で大切なのは、アイマイミーマイン!といって覚えることになる代名詞の表です。
こんな感じの表です。ためしにノートに表をうつして、穴埋めしてみましょう。あるいは最低限、順番に言ってみてわからないところがないかを確認しましょう。ぜひ、発音しながらやってみましょうね。
…
さて、答えは以下のようになります。
これですね。魔法のように繰り返し発音して、書きまくりましょう。自分なりにルールを見つけてもいいですよね。例えば、所有格にsをつけると、独立所有格になるものが多い、とかです。
ポイントは、表そのものを自分で作れるようにするということです。
そうでないと、どこがわかっているのかわからないけど、なんとなく大丈夫です、みたいな非常にあいまいな自己理解にとどまってしまうからです。
そのほか…保護者の方の視線
そのほか、中学1年生では、現在進行形や過去形を中心に学びますが、それらは、ここまでで上げたものが完全に基礎になっています。これだけクリアすれば大丈夫なんです。こつこつ頑張りましょう。
さて、最後に、保護者の方は、基礎の英語で四苦八苦しているお子さんに対して、マイナスの感情をもって接してはいけません。この点はどうしても気を付けてほしいです。
子ども自身がやる気になっているときに、過去の何やかやを思い出したりしてぼそっと不用意な発言をすることで、いろんなことがややこしくなってしまうことがあります。
少しでも身に覚えのある方は、こちらの記事をご覧ください。
私自身、長年塾講師をしていて、子どもに対してマイナスの視線を投げかけてしまうことはあります。どうしても感情は顔を出してしまうものです。しかしその時は、なんとかそれを取り戻すように、話し方や接し方は工夫します。よくやるのは、子どものしているいわゆる「よくない行動」について、まじめに話し合うことです。「君のここは確かに良くないよな。私の言い方も悪かった」ということはしばしば話すものです。
終わりに
いかがだったでしょうか。要するに、中学1年生は、
- 4線のノートを使って
- 大文字、小文字が書けて、大文字のルールがわかって
- be動詞の文と一般動詞の文の区別が最も大切で
- 肯定文・否定文・疑問文をどんどん作って
- 疑問文は、疑問詞を使う疑問文を理解して
- 単語と代名詞が書ければ、
中1英語の基礎はばっちりです!
もちろん、会話表現をはじめとして覚えることはまだまだ多いです。でも、まずは今回の内容が基礎編ですから、ここから始めていきましょう。
また、応用編が見たい人は、こちら(執筆中)をご覧下さい。
質問がある人は、ぜひコメントをしていってください。それでは、皆様に幸あれ!
かいたく記
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