中学1年生の英語の落とし穴4選

みなさんこんにちは。今回の記事では、中学1年生が英語学習で陥りがちな落とし穴4選をご紹介します。

この記事を読めば、1.中学1年生が英語学習において気を付けるべきことと、2.その対処法がわかります。ぜひ最後までご覧ください。

中1英語の落とし穴

  • 1.be動詞と一般動詞の文を区別すること
  • 2.疑問文
  • 3.3単現のs
  • 4.英単語

この4点に注意しながら学習を進めましょう。それぞれ説明いたします。

1.be動詞の文と一般動詞の文の区別は今後の英語学習の根幹である

「be動詞の文と一般動詞の文を区別しよう」ということは、学校でも塾でも先生が口すっぱく繰り返すことです。しかし、中学1年生、あるいは2年生で英語が苦手になってしまっている生徒のほとんどは、この点でつまずいています。なぜでしょう。

その理由は、学習初心者に向けて、先生もあまり「文法」を中心に話さないことに原因があると思います。

もちろん、中学1年生の英語は、「頭で考えるよりも音読したり手を動かして書いて覚える」ほうが大切だということは正しいです。例えば、I am a student.のような例文の学習から始めるときに、「このamはbe動詞といって…という役割があります…」のように話し始めてしまうと、ついてこれない生徒が多いことも事実です。

しかし、学校にしろ塾にしろ、「単元のまとめをする」時間はあります。少なくともそういう時には、「be動詞の文」という言い方は教えたいです。その時に注意すべきことが「be動詞の文という理解をすることが、今後の学習にとって肝心かなめであることを熱く訴える」ということです。そのうえで、「生徒自身がその言い方を使って英文の説明をする」必要があります。

例えば、講師がI am not play the piano.のような誤った例文を書いて、その例文の間違っているところを生徒に説明させるなどです。単純に、I don’t play the piano.が正しい文章だ、といえるだけでなく、「playは一般動詞なのでdo notを用いて否定文を作る」などと言わせたいです。

そのためにも、なんとなく教科書に書いてあることを読み上げるようなテンションではなく、「この知識が本当に大切なんだ」ということを「わかってもらう」必要があります。その「わかる」とは、教える側の理解とは程遠いもので構いません。しかし、少なくとも生徒が「これはbe動詞を用いた文章で…」という話ができるようになってもらいたいです。教師がそれを伝えるためには、さまざまな経験や、実例を紹介する必要がありますよね。塾で教えてきた人なら、この区別をできていない生徒がどのような苦労をその先にするようになるのかについてはたくさん話ができるはずです。

be動詞の文と一般動詞の文の区別ができている、といえるためには、I am an English teacher.やYou get up early.のような肯定文ではなく、次に出てくる「疑問文」や「否定文」の練習をたくさんさせる必要があります。これをたくさんやって素早く書けるようになると、その後の英語学習がスムーズに進むようになります。

2.疑問文と「ひな形」、あるいは英語と日本語の最大の違い

次に中学1年生が陥る落とし穴は、「疑問文が書けない」ということです。

疑問文には2種類あります。

1「Yes, Noで答えられる疑問文」

2「Yes, Noで答えられない疑問文=疑問詞を用いた疑問文」です。

特に、2の「疑問詞を用いた疑問文」は、多くの生徒が脱落する箇所です。

たとえば、「トムとジムは、どこでバスケットボールの練習をしますか」などです。

これは、Where do Tom and Jim practice basketball?

となりますが、並べ替え問題でもぐちゃぐちゃになりますし、一から書くなどは言うに及ばずです。この文章を書かせると、「do」が忘れられがちです。

こういうミスを見つけたら、英語学習の軸を一から作っていく覚悟をしながら教えていきます。そのやり方というのは、「ひな形を思い出させる」ということです。

英語が苦手な生徒も「あなたは何が好きですか」って英語で言ってごらん、というと、意外と出てきます。

What do you like?

ですよね。(出てこない子ももちろんまれにいます。出てこなければ、こちらで言ってしまってもかまいません。必ず「うんうん」といういい感じの返事をしてくれます)

そして、What do you like?がWhere do Tom and Jim practice basketball?と構造的に同じことを指摘します。つまり、「疑問詞+do(does)+主語+動詞」がひな形です。疑問詞を用いる文章を書くときには、必ずこのひな形を意識するように言ったうえで、たくさん練習をさせます。すぐには書けるようになりませんが、間違いを見つけたら、今度は生徒に「考え方」を言わせてみましょう。「どんな文章をひな形にするんだっけ?」と問いかけると、「ううん…What do you like?」と出てきます。

あとは、その自分が出したひな形に英文を添わせるのです。(しかし、疑問詞+do+主語+動詞というひな形を繰り返し言わせることは多分あまり良くないです。ひな形は、自分の英語学習から帰納的に取り出させたいのです)

疑問詞を用いた疑問文は、「疑問詞+Yes, Noで答えられる疑問文」ということもできます。

つまり、Why+ Do you go to Tokyo?のような感じです。

いずれにせよ、「ひな形」を意識させるのが大切です。

日本語と英語の違いで最たるものは、「英語にはかなり厳密な順序がある」ということですよね。日本語の場合は、

「ジャイアンがのび太をバットをもって追いかけた」という文章を、

「のび太をジャイアンがバットをもって追いかけた」といってもいいし、

「ジャイアンがバットをもってのび太を追いかけた」といってもいいですよね。

でも、英語では主語は最初に書かなければいけないし、その次に動詞を書いて、その動作の対象を次に書く、という厳格なルールがあるのです。こういう「ひな形」の存在を適切な段階で紹介しなければならないのです。

※もちろん疑問詞の文章については、応用編として、Who can play the piano?のように、疑問詞の後にすぐ動詞が来るパターンもあります。これはこれとして理解してもらわないといけません。でも、通常の疑問詞の疑問文ができている生徒が、この点であまりはまることはありません。適切なタイミングで、こういう形について紹介をするだけで、そんなにつまずく生徒は多くない印象です。

もちろん、普通のYes, Noで答えられる疑問文も、初学者が間違えがちな問題です。例えば、Is you a teacher?などとしてしまう生徒もいます。これは、結構よくない間違い方で、時間をつくって一緒に勉強をしてあげる必要があります。「授業を聞く」ということからできていない可能性もあります。is You a teacher?のような間違い方もしばしば見ます。

3.3単現のsができない生徒は視野が狭い

これは、中1というより、中2になってから表面化する問題です。3単現は、それこそ学校や塾で先生も口酸っぱく説明するし、その時は生徒もわかったつもりになるし、すぐにそういう問題が出ても、対応はある程度できます。

しかし、「3単現のs」については「自分で説明ができる」というレベルで身についていない生徒は、2年生になってから、こうした問題でバンバン間違えます。他にも注意するべきところが増えてきているからです。

英語が苦手な生徒は、とても「視野が狭い」のが特徴です。そして、英語学習において「視野」ということが取り上げられる機会はあまり多くないような気がします。

You play baseball.という英文を

You are play baseball.と書いてしまう生徒はもちろんいますが、それでも違和感を自分で指摘できます。それよりも、

Do you play baseball?と書くところを、

Are you play baseball?と書いてしまう生徒の方がとても多く、根が深いです。これは、「be動詞と一般動詞の区別」という問題に端を発しているのですが、Areとplayの間にyouがあることも原因の一つであると思っています。つまり、「視野が狭い」のです。もっと言えば、「英文を単語レベルで見てしまう」ということです。

Are / you / play / baseball?となってしまいます。これでは、Areとplayのつながりに気が付けないのです。

これができない生徒が、

Does she live in Osaka?のような英文を書けるかと言われるとそれはそれは難しいわけです。

もっと言えば、How many apples does she have?なども難しいのです。

話が広がってしまいましたが、3単現のsは、いろいろな英語の理解を試す試金石になるものです。「出来不出来」にだけ目を向けるのではなく、そこをコミュニケーションの入り口にするのもいいですね。

「英語学習と視野」というテーマは、長文読解の記事で話をする予定です。しばらくお待ちください。

4.単語が書けない生徒はあらゆる面で苦労をする

「今の時代、自分で単語を書ける必要などない」という声もあります。しかし、「読み書き」は学問の基礎だと考えます。その中で様々な発見があるからです。そういう発見は、中学生のときではなく、高校生や大学生になってからのものであることが多いです。しかし、そういう発見の機会を失わせてしまうことは、非常にもったいないです。

また、入試という生徒にとってのリアルを考えても、英単語の学習は必須です。入試では、「英作文」がかなり高い配点を持っていることが多いからです。

さて、英単語が書けるようになるためには、

1.音とスペルの関係づけ

2.ひたすら練習

が必要になります。

中学2年生になっていざ「単語練習するぞ!」となっても、しかるべきやり方を身に着けていない生徒は、「単語帳を眺めている」という虚無の時間に長い時間を費やすことにもなります。そういう生徒にいざ書かせてみると、単語はかなり書けません。まず、「発音がわからないものは必ず質問すること」と言いつけます。そして、単語学習の教材としては、必ず発音がわかるようなQRコードがついているものやダウンロードができるものを選びましょう。

私としては、英検の教材にもなる『でる順 パス単』がお勧めです。

毎日勉強しましょう。「1日5個」で構いません。この点については、学習はスモールステップでという記事をご覧ください。

毎朝5個、英単語の学習をして、一週間後の日曜日などに、35個のうちから20個程度のチェックテストをして、生徒ごとに合格点を決めてあげると、単語の学習を習慣化させられます。すごく英語が苦手な子には、ぜひ合格のハードルを下げてあげてください。少しずつです。

終わりに

今回は、中学1年生が陥りやすい英語学習の問題点4選を上げました。そのひとつひとつができるようになるためには、あの手この手で生徒にその大切さを伝える必要があります。単に「やりなさい」というだけでは無理です。原因や今後の展開も含めて説明できないと説得力を書くものになってしまいます。「誰でもできるんだから」ではなく「これができるとすごいんだよ」と言ってあげられなければいけません。それは、教える側の見識にもよると思うのです。

個々のケースにおけるアドバイスが欲しい方は、ぜひ気軽にコメントを残してください。

それでは!

かいたく記

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